にょこにょこ

嘘を書いた雑巾を配るページ

 見ずっぽい


 さすがにドリンクバーで粘り過ぎて、帰り道では大変な尿意に悩まされた。今日に限って交通手段も最悪で、自転車だ。段差を行く度に振動がサドル越しに膀胱に伝わり、もう駄目だ、緊急に降りてトイレを! と思ってもここはカップルだらけの公園裏通り、全てのトイレからは変な声が聞こえてきて入れないし、野ションをするにもどの草陰に男女がいるかわからない。膀胱うなってるし、もうこうなったら、助けて、神様! と言った所で急にスコールが降り注いだ。局地的超集中豪雨。これは俺に「今だこの雨にまぎれて尿を出し、同時に雨によって洗い流し証拠を隠滅するのだ!」と言っているに違いない雨であった。ご厚意に甘えます神様ありがとう。ペットボトルにエンピツ大の穴を数箇所どすっと空けた勢いですっかり中身を吐き出した俺。快感。と気がつくと雨はとっくに止んでいて、全身濡れ切って無い上半身、中央濡れ切ってる下半身、ばっちりバレる姿に愕然とした。神の馬鹿! 絶対俺の事嫌いだろ! 心でそう抗議するとパパン、っと西の空に花火が。仕掛け花火だ。出てきた文字は「好きだよ」。神様ー!
 良かった、神様俺の事好きだ! それを知れただけで充分、涙が出てくる。がんがんに出てくる。よく見れば涙だらだら尿だらだらで汁だらけの俺。そこに注がれる多数のカップルの視線。カップルの手に携帯電話。やめろ! 通話先はひゃくとうばんですか!
 その場を走って逃げ出しながら、これが試練だと知った。この汁だくもきっと試練かもしれん。神は試練好き。試練だけお与えになって、あとはSS席でゆっくり観劇なさる。ならば、楽しんでしまうまでですとも! 痴れ者、汁にて印を知る。
 そして今、すっかり晴れた空に神の笑顔が。あれー、犬に似てるー!