にょこにょこ

嘘を書いた雑巾を配るページ

相対加齢

「永遠の命なんて頼むベジータの気が知れないね!」
 という言葉が何らの影響を俺に与えたかは知らない。いやたぶん与えてないだろう。でもそれがきっかけだったかのように境目となったのは言ったまさにその日だった。
 人が俺を見るたびに老けたね、老けたねと言うのだ。
 事実俺は老いを感じていた。そして今まで感じていたスピードよりももっと早く、俺は老いつつあるのだと思う。周囲の人と、自分との年齢差がどんどん開いていくように思える。
 鏡を見るとさらに追い打ちをかけるように、潤いを失った肌が見えた。丁度良くつややかな肌をたたえた母が俺の後ろを横切ろうものならなおさらである。鏡越しに見える母と、鏡の中で顔を並べるとまるで間違い探しだ。しかもとびきり答えが明確な。答え、俺のほうが年上に見えるのが大きな間違い。
 なお悪い事に年々それが顕著になっていった。皆若い。俺ヨボい。どういうわけだ親父! と問いかける相手が童顔で弱った。本当親父かあんた。毎日チョコラBB飲んだってそんなんなるか馬鹿。金属みたいにつるつるって、ちょっとは老けろ? 
 ああ、イカれちまった、俺はついに救急車の色が特殊なやつに運ばれる時が来たのかもしれんと思った。すまんな、婆ちゃん、俺あんたより先に呆けちゃうよ、なあ婆ちゃん、ってお前もつるつるかー!
 またある日もはや発狂寸前の俺(危険)に果敢にも声をかけたのは、昔七つのガラス玉をくれた友人だった。
「どうだい、君の願いは叶ったかい?」
 目一杯疑問符を浮かべて首をかしげてやるとポキっと音がした。軋み始めた我が身体。四季が巡り今まさに死期が俺へと巡るのか。頭ももうだめだ。何しろこいつの言っている事がさっぱり……
「なんだ覚えてないの? きみはあの時……」

***

「永遠の命なんて頼むベジータの気がしれないね!」
「じゃあどんな願いが?」
「決まってるだろ! ロボット帝国。俺以外の全員ロボットなん!」

***

 ギャース!