にょこにょこ

嘘を書いた雑巾を配るページ

子供たちの金策

 ある男が、町中を歩いていると子供に尋ねられた。
「すいません、この千円札は貴方のものですか?」
「ん?」
「そこで拾ったんですけども」
「ああ、私のだ。ありがとう」
「あの」
「おお、そうだな。お礼をしなきゃな」
「いえ、そうじゃなくて」
「なんだい?」
「嘘つきの方を対象にしたアンケートにご協力を」

 夏休みが終わり、自由研究発表の日。
 今回皆が注目している研究は、B班の「ケチな人はうそつき」だったが、それはついに発表される事は無かった。

「キミたちのグループは素晴らしい研究をしたね。でも、ちょっとだけ間違いがあるなあ。だからこれは発表できないよ。でも、やっぱり素晴らしい研究だから、私が買い取ってあげるね」
 万札を束にして子供達にあげる校長。
 アンケート協力者の写真が並んだその中に、校長の顔がばっちり写っていた事は、今では子供達しか知らない。
「ほんとだ! ケチじゃない嘘つきもいるんだね、校長」
 校長は真似難い顔で笑った。